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【現場管理のポイント】梅雨時期に多発するトラブルとその対策

6月7日

読了時間:4分

トータルサポート株式会社

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このコラムの表紙イラスト

6月に入り建設現場においても梅雨の影響が本格化する時期となりました。


特に近年は集中豪雨や天候の急変など、従来よりも雨のリスクが読みにくくなっており、現場運営における柔軟な対応が一層求められています。




1. 梅雨の現場トラブル


毎年この時期になると、「建設現場では予定通りに進まない」「資材の管理が難しい」「安全確保が大変」といった声が多く聞かれます。


特に屋外作業が中心となる現場にとって梅雨は大きな悩みの種です。


そんな梅雨時期の現場でよくあるトラブルについて、代表的な事例を4つ紹介していきます。


現場で実践でできる具体的な対策をイラストにした画像

①工期の遅延

雨天による作業中止や工程の見直しにより、予定よりも工期が長引くケースが多くあります。特に屋外工事や防水工事など、天候に左右される作業においては、遅延が他工程へ波及するリスクがあります。


②資材の品質劣化

木材、ボード類、断熱材など、湿気に弱い素材が雨さらされる事で、吸湿や変形、カビの発生など、様々な問題が生じます。これにより、施工品質や安全性の低下を招く恐れがあります。


③安全上のリスク増加

雨天時は足元が滑りやすくなり、仮設足場での転倒や、落下事故の危険性が高まります。

また、濡れた作業服や工具の使用により、感電や誤操作のリスクも無視できません。


④作業効率と士気の低下

雨具の着脱や休憩場所の確保、蒸し暑さによる疲労感の増加などにより、作業効率が下がりやすく、結果として従業員のモチベーションも低下しやすくなります。




2. 現場で実践できる具体的な対策


梅雨時期に起こりがちなトラブルは天候が原因とは言え、「避けられないもの」として片付けられがちです。


しかし、事前の備えや日々の工夫によって、リスクの多くは軽減することが可能です。


実際の現場で取り組める具体的な対策を5つの視点からご紹介します。

被害を最小限に抑え、安全かつ効率的な施工を実現するためのヒントとして、ぜひご活用下さい。



①気象情報の精度を高める

一般的な週間予報に加え、1~3時間単位の短時間予報を活用することで、天候の変化をより正確に把握できます。複数の気象アプリやサイトを併用して、現場判断の材料とする事が有効です。


②工程の前倒し・入れ替えを柔軟に

梅雨入り前には外作業を優先的に進め、雨天時には内装工事を行うなど、比較的影響を受けにくい工程へと切り替えられる体制を整えておくことが重要です。


③資材の保管・搬入方法の見直し

吸湿性の高い素材は、ブルーシートや簡易倉庫による雨よけに加え、すのこやパレットの使用、除湿剤の設置などで保管環境を整えます。搬入タイミングを見極め、必要以上に現場に置かない工夫も有効です。




3. 梅雨時期に輝く―ベテラン職人の豆知識


現場を止めないための努力は、図面や数値に表れない【段取り】や【工夫】にあります。

ベテランの技と知恵を活かす事で、天候に白湯されない”強い現場”が生まれます。


どの様な工夫がされているか具体例を見ていきましょう。


ベテラン職人の豆知識をチラシ風にイラスト化した画像

①養生テープは“色”で使い分ける

「雨が降る日は緑のテープで仮止めする」と決めておけば、雨用の仮設かどうかが人目で分かります。また撤去時の見落とし防止にもなります。


②ブルーシートの“裏使い”で防滑

通常は青面を上にして敷きますが、雨天時は裏面(グレーや白)を上にすると、滑りにくいことがあります。場合に応じて使い分けると転倒リスクを軽減できます。


③長靴より“防水靴+スパッツ”

長靴は蒸れて疲れやすいうえに、滑りやすいこともあります。最近では「防水仕様の作業靴やスパッツ」を好む職人も増加中です。足元の安全と快適さの両立を図れます。


④雨の日は“搬入”と”確認作業”に充てる

「どうせ作業できないから休む」のではなく、搬入作業や墨出し、仮設点検、寸法確認など、天候に左右されない業務”を雨の日に充てる事で、後日の手戻りを防ぎます。


⑤すのこ代わりに“廃材パレット”を使用

吸湿を防ぐための浮かせる収納”として、使い終わった木製パレットを再利用し、コストをかけずに簡易床上げが出来ます。


⑥手ぬぐい1枚で視界確保

蒸し暑いなかでレインウェアのフードを被ると視界が悪化しがちです。額に手ぬぐいを巻くことで雨を遮りつつ、視界と通気性を確保するという昔ながらの工夫も、今なお現役です。



4. まとめ


梅雨は建設現場にとって避けられない季節的リスクですが、想定できるトラブルには事前の備えで対応が可能です。


「止まってから考える」のではなく「止まらないために準備する」―これが現場管理者に求められる視点です。


工程の見直し、資材管理、安全対策、チーム内の情報共有等、出来ることから1つずつ実行していくことで、梅雨時期のトラブルを最小限に抑える事が出来ます。


これからの数週間、現場の安全と品質を守るために、今一度体制を見直してみては如何でしょうか。





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