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まだまだ先のこと?今から考える2040年問題!

2024年12月14日

読了時間:7分

トータルサポート株式会社

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WHO(世界保健機関)と国連は、65歳以上の人口が総人口の21%を超えた社会を超高齢社会と定義していますが、日本は2007年の時点で超高齢化社会に突入しています。


2040年の日本は超高齢社会を遥かに超えた高齢社会に突入すると見られていますが、

超高齢化によって起こりうる問題とは、具体的にどのような事が考えられるでしょうか。


本記事では2040年問題を分かりやすく解説していきたいと思います。




■2040年問題とは


日本の人口の推移
*日本の人口の推移*  出典:「我が国の人口について」厚生労働省

団塊ジュニア世代(1971年~74年生まれ)の方が65歳以上となり、高齢者人口がピークを迎えるとされる年が2040年です。


こうした人口構成の変化により、医療・介護・年金などの社会保障や、労働力やインフラの面で、出てくると予想されている様々な社会問題の総称を、2040年問題と呼びます。


高齢者の増加と生産年齢人口の減少が2040年問題の核心となっています。



─2025年問題との違い


2025年問題では高齢者の増加が問題視されていますが、2040年問題では高齢者の増加に加えて、生産年齢人口の急減が大きな問題となります。


高齢者増加の過渡期が2025年問題で、高齢者増加のピークが2040年問題、と認識してください。


2025年問題については、下記の記事にて詳しく解説していますので、ご興味があれば是非ご覧下さい。


関連記事:「2025年に一体何が起こる?2025年問題を徹底解説!



■2040年問題における課題


①社会保障費


2040年には65歳以上の高齢者は35%超、75歳以上の後期高齢者は20%超、と予測されています。


同時に、生産年齢人口は53.9%まで低下する見込みで、「1人の高齢者を1.5人の現役世代で支える」ことになります。


高齢者の増加で社会保障費が増大する一方で、生産年齢人口の減少で納税者は減少するため、一人当たりの負担が増加します。


厚生労働省によると、2040年の社会保障給付金費は「109兆円」と予測されており、121兆円であった2018年の約1.6倍になると想定されています。


社会保障費の内訳をみてみると、医療が1.7倍で介護が2.4倍、となる事が予測されています。


年金においても、受給金額の減少や支給年齢の引き上げなどで、年金制度は破綻を迎えるともいわれています



②医療・介護


2040年には認知症の高齢者が584万人を超え、7人に1人が認知症となると予想されています


認知症の前段階である軽度認知症の高齢者数も612万人を超えると推測され、認知症の高齢者数と合算すると、高齢者の3人に1人が認知機能低下の症状が生じている事に。


こういった事から医療や介護のニーズが高まる一方、医療従事者や介護士が不足すると予想されます。


医療や介護の分野で必要とされている就業者数は1070万人とあるにも関わらず、実際に確保できるのは974万人に留まると予測され、約100万人の人手不足が考えられています。


この深刻な人手不足が解消されないと、要介護者に認定されているにも関わらず、施設への入所や適切な介護が受けられない、介護難民の急増が予想されています



③高齢者の貧困化


一番の本質は単身の貧しい高齢者が増える事にあります。


団塊ジュニア世代は、就職氷河期とも重なり、非正規雇用の方が多いです。


当時の年金制度は現在の制度とは大きく異なり、厳格な納付義務があったわけではないので、納付をしていない方も多いのです。


また、この収入の不安定さを理由に、未婚率も高くなっています



④都市とインフラの老朽化


2040年には空き家率は40%を超えると予想され、特に地方都市の衰退が急激だと思われます。


更に、1970年代の高度成長期に整備した道路や橋や下水道などのインフラが老朽化し、維持管理費の増大が懸念されています。


深刻な人手不足が予想されている中、都市やインフラの改修に対応が追いつくのか、こうした点も課題となっています。



⑤自治体の存続危機


職員数の多い団塊ジュニア世代が2030年に退職期を迎え、自治体の職員数の減少が問題視されています。


また、人口減少に伴い住民税などの自治体の収入も減るので、特に地方では大きな課題になると言えるでしょう。


若年層の流出入や税収額などに地域差が出てくるので、更に地方と都市部での地域格差も大きくなると思われます。



■2040年問題に向けた国の対策


①生涯現役社会


政府は「生涯現役社会」をスローガンに掲げ、定年延長や就職支援を進めています。


在職老齢年金が減額される所得基準を見直す事で、年金受給者の就労を促進していく考えです。


また、厚生労働省が掲げている政策の一つに、「健康寿命の延伸」があります。

2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸し、75歳以上にする事が目標とされています。


健康で居続けることで、高齢者でも元気に働くことが叶い、生涯現役社会にも繋がってきます。



②ロボット・AI・ICTなどの実用化


医療や福祉サービスにおける生産性の向上を図るため、ロボットやAIの実用化に期待が高まっています。


このような最新技術の活用が進めば、少ない人手で十分なサービスを提供できるようになり、人手不足の解消や生産性の向上が期待できます。



③地域包括支援などの高齢者支援


医療や介護のニーズが急増すると首都圏では県境を越えて介護施設を利用する事が当たり前になるでしょう。


特に他県への依存度が高い東京都では、こうしたケースが目立つと予想されます。


団塊ジュニア世代は未婚率も高いため、単身の高齢者が多くなると予想されています。

こうした背景からも、地域全体で高齢者を支える体制づくりが重要となります。



■個人で出来る備え


①老後資産の形成


医療制度や年金制度は国が運営するシステムですが、将来的には破綻する恐れもありますので、積立投資や個人資産形成をしておくと安心です。



②健康維持


健康で居続ける事で、医療費の削減にも繋がりますし、希望する限り働く事も出来ます。

適度な運動や適切な食生活、定期的な健康診断を心掛けましょう。



③将来設計


老後の住まい問題は大きいです。

賃貸物件を借りようとしても、高齢者が借りられる物件は少ないですし、審査も厳しくなってきます。

将来の生活設計を考える事が大切となってきます。



■企業が出来る備え


①多様な働き方を提供


高齢者・外国人・女性等どんな人も働きやすい環境を作る事が重要となります。


引退後のシニアが働けるようになれば、約167万人の労働力が見込めます。

子育て中の女性が働けるようになれば、約350万人の労働力が見込めます。

外国人労働者が2015年時点の倍になれば、約34万人の人手増加が期待できます。


また副業・兼業を認める事も出来ますね。



②DX化を進める


ITやDXを活用する事で生産性が上がり、効率よく労働をする事が出来ます。


深刻化している人手不足を解消するには、働いていない人へ労働参加を促す事も重要ですが、生産性を向上させる事も重要です。


また、生産性を向上させることが出来れば、必要な人手を減らす事も叶います。


また、必要なくなった作業の分は、仕事に集中して取り組めるようになったり、スキルを磨く時間に充てられたり、より良い成果が生まれてくるかと思います。



■まとめ


「2040年なんてまだまだ先...」と思っている方も多いのではないでしょうか。


しかし既に超高齢化社会がピークを迎える前兆を感じます。


様々な業界での人手不足、DX化への切り替え、シャッター商店街の乱立、小中学校の統合など、様々な場面で少子高齢化を実感できるのではないでしょうか。


つい先日、各地の水道料金が来年から値上がりすると、発表されていました。

人口が減ると利用水量が減るので、水道利用の単価が上がってしまいます。


生活に直結にするような影響が出てから気が付くのでは遅いですね。


一個人で出来る高齢化への対応は限られておりますが、企業や自治体が出来る事は多いのではないでしょうか。


政府も補助金や制度でサポートをしておりますので、有効に活用して対策をしておきたいですね。


2024年12月14日

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