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建設キャリアアップシステムとは?個人事業主も登録した方が良い?

2024年11月17日

読了時間:5分

トータルサポート株式会社

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都市建設をする建設業従事者

建設キャリアアップシステムとは...


C...Construction(建設・建築)

C…Career(キャリア)

U…Up(アップ)

S…System(システム)


上記の英語表記から建設キャリアアップシステムはCCUSと呼ばれています。


技能者の保有資格・社会保険加入状況・就業履歴等を、業界横断的に登録や蓄積する仕組みの事です。


能力や技能に応じた処遇改善が目的で2017年に開始されました。




構築の背景は...


建設業振興基金によると、製造業全体の賃金ピークは50~54歳であるのに対し、建設業の賃金ピークは45~49歳となっており、スキルが適切に評価されていないと考えられます。


これは個人の能力を評価する統一の仕組みが存在しない事が原因に挙げられます。


客観的に能力を評価する仕組みを構築していこう、という流れからこのCCUSが始まりました。




構築の目的は...


①技能者のキャリアの見える化

個人カードに就業履歴の情報を蓄積していく事で技能者のスキルやキャリアを見える化。


社会保険の加入状況や保有資格も登録できるため、会社側も技能者のスキルを正確に把握できる、というメリットがあります。



②将来の技能者確保

個々のスキルアップが確実に処遇改善に繋がる、そんな働き方の環境を整備していく事で、若年層に魅力的な職業だと認識してもらう事も目的の一つです。



③事業者の業務負担軽減

現場で技能者の資格や社会保険の加入状況を簡単に確認出来るなど、現場での管理作業が効率化すると見込まれています。


また、建設業退職共済事業本部が管理している、退職金なども今後統合されていく見込みで、事業者の事務作業の効率化も期待されています。




CCUSに登録するメリット


登録には手続きが必要となりますが、それを上回るメリットがあります。

技能者目線と事業者目線でメリットを紹介していきます。



●技能者のメリット


①正当な賃金や処遇を受けられるように

CCUSでは、技能レベルが4つに分かれており、レベルに応じた賃金が期待できます。

また、就業履歴や保有資格も業界横断的に蓄積されているので、転職時にこれまでのキャリアの証明がラクになります。



②退職金が適切に受け取れる

これまでの就業実績が明確に把握できるようになるため、退職金に関わる事務手続きがスムーズになります。


また、多重下請け構造が一般的な建設業界では、確実な運用が出来ていない実態がありましたが、確実に掛け金を充当する事が出来ます。



③目標・計画が設定しやすくなる

技能レベルが明確化される事で目標も定めやすくなり、意欲向上にも繋がる事が期待されています。



④特典が受けられます

CCUSカードを提示すれば、飲食店でのドリンク無料サービスや、不動産仲介手数料の割引サービス等、特典が受けられます。

この特典はとても幅広く、資格取得講座費用の割引や工具購入の割引等、お仕事にも役立ちます。

当社



●事業者のメリット


①CCUS対応現場としてアピールが出来る

技能者・取引先・施工店などに、就業環境や意識の髙さをアピール出来ます。



②請負業者にアピールも

従業員のキャリアや技能が見える化できているため、「当社にはこんな優秀な人材がいる」などと、従業員をアピールする事が出来ます。

案件の入札時にも技術や実績を明確にアピールする事が出来ます。



③事務負担が軽減する

ICカードにより勤怠管理や求人採用が効率化します。

また、社会保険の加入も効率化され、業務改善に繋がります。



④現場の管理もしやすくなる

現場への入退場にICカードを使用する事で、現場の管理がしやすくなっています。




利用手続きと料金


詳細は下記の建設業振興基金のサイトでご確認下さい。

https://www.ccus.jp/



●技能者側の手続きと料金


【手続き】

登録方法は「インターネット申請」「郵送申請」「窓口申請」の3パターンあります。

申請に必要な情報を揃えて登録手続きを行います。


【料金】

インターネット申請の簡略型は2500円、

インターネット申請の詳細型は4900円、

郵送申請や窓口申請の場合は4900円です。


カードの有効期限は10年間となっています。

紛失や破損してしまった場合は、1000円で再発行が可能です。



●事業者側の手続きと料金


【手続き】

登録方法は、「インターネット申請」「郵送申請」「窓口申請」の3パターンあります。

申請に必要な書類を揃えて登録手続きを行います。


【料金】

事業者は3つの利用料金がかかります


①事業者登録

5年毎の更新となっています。

事業者登録料は、事業者の資本金額によって6000円~240万円と、大きく幅があります。

尚、一人親方の方は利用料は掛からず個人事業主の方は6000円です。


コンビニ支払い・銀行振込・クレジットのいずれかで支払いが可能となっています。



②管理者ID利用料

管理者IDは毎年発行されます。

管理者1人あたり年間11400円がかかります。

一人親方の方も2400円かかってきます。


交付した月毎でまとめて請求されます。

支払い方法は銀行振込のみとなっています。



③現場利用料(元請会社)

元請会社は現場利用料が必要となります。

人数×10円が1日あたりの利用料としてかかってくるので、現場人数や工期で利用料が変わってきます。


月毎にまとめて請求されますが、一定額(10000円)に満たない場合は、最大6か月間繰り越されます。

支払い方法は銀行振込のみとなっています。




登録状況


2024年7月時点で、技能者は約148.7万人が登録済みとなっており、これは技能者の3人に1人超が利用する水準です。


一人親方の方も、既に約9.2万人が登録済みで、広く普及し始めています


現場での利用も年々増加傾向にありますので、この機会に登録をしてみては如何でしょうか。





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